パディング、パディング


 魔法が使える世界に生きている。
 ある晴れた日、私は学校(小学校かなと思うのだが…)に登校する。校門をくぐり、玄関に続く砂利道を歩いていると、年配の先生が、私プラス丁度その辺を歩いていた2,3人の児童に向かって話しかけてきた。
「貴方たちに、特別任務を与えます」
 …その任務とは、密命を帯びてひそかに地球にやってきたタコ型宇宙人を守る、というものだった。タコ型宇宙人は普段、人間の姿に擬態だか変形だかしているのだが、何らかの理由でその能力が一時的に弱まっているため、我々が力を増幅させる呪文を唱え続けて宇宙人の姿に戻らないように・ばれないようにサポートするのだ。
( しかし私は、深層心理下で“宇宙人といえばタコ型”と考えているのだろうか?以前見た夢でもタコ型だったが、いったいいつの時代の人間だ。 ((→ 宇宙人襲来 - 見た夢を淡々と記録するよ ))  少なくとも私、幼い頃に矢追純一((これも古いけど!))の洗礼なら受けているはずなのだが。ところでさっき、矢追氏の名前に自信が無くて念の為に検索していたのだが、Wikipediaの記述によると彼は“イオンド大学教授・未知現象研究学部長”なのね。さすが!の怪しさ全開ぶりに嬉しくなる。 )
 能力増幅呪文は“パディング”という。どうでもいい情報ではあるがこれは“padding”ではなく、“パンプキン・プディング”の略らしい。
 私たちはさっそく任務遂行に向けて動き出した。学校の中で宇宙人の後をひたすら追いかけながら、皆で彼(彼女だったかも)に右手人差し指を向けて念を送りながら「パディング!パディング!」と唱えるのだ。なんていうか、カバディの競技中にひたすら「カバディカバディカバディ……」と連呼し続けるようなイメージ。
 しかし宇宙人は何の目的があるのやら、チャイムが鳴ってもお構いなしに、階段を上り・保健室の先の廊下を曲がり、学校の中をうろつき続ける。「授業始まっちゃったけど我々こんなことしてて大丈夫なんだろうか?」「たぶん…。だって先生の命令だし、特別任務だし…」
 不安を感じながらもパディングパディング言い続ける私たちであった。


 本当はもっと色々な出来事が起こったのだが、覚えていられなかった。この他におぼろげに記憶するのは、理科室で変なものと対決したり、海がモーゼの奇跡状態に割れている(ただし小規模)場所で、水の壁に向かって立ち、葉っぱに乗せた蟹を浮かべて遊んでいるというシーンだ。   ――(はてな夢日記