マイケル・ジャクソン IN ネバーランディングストーリー

 「映画は題名や監督名のメモのみ・レビューも感想も何も書かない」方針でいる、かつ、今年から映題クリッピングオンリーの別サービスを吟味中なのだが、今回はダラダラと日記を垂れ流してみる。

マイケル・ジャクソン IN ネバーランディングストーリー

  2004年米 監督:ブライアン・マイケル・ストラー
 若い人にしてみればマイケル・ジャクソンは、お騒がせの、訳が分からない、整形・虐待疑惑の人…になるのだろうか?この映画を観たら「やっぱりこの人って…」と言われてしまうのだろうか?私は世代的に"ジャクソン5"には間に合わないにせよ、80年代の彼の活躍なら少しは記憶に残る。だから、「思えば遠くへ来たもんだ」と複雑な面持ちがする、が、こういうの嫌いじゃないので…うっかり観てしまった。

日本で開催されるミスコン、ミス・ギャラクシーコンテストに参加するため、全米美女軍団は飛行機へと乗り込んだ。しかし、その機体は急降下、最悪の事態に・・・!緊急着陸したのは、名もなき島。命が助かったと喜ぶ一同。しかし、その島には世界最大の秘密があった。何世紀にも渡り隠され続けた“ノアの箱舟”が存在していたのだ!巨大豚の来襲、猿人との戦い、食料不足、仲間割れ・・・数々の苦難に襲われる彼らに、救世主が出現した。謎のロボットU2−ME2が映し出す映像に、エージェントMJ(マイケル・ジャクソン)の姿が!彼の言葉こそすべての鍵を握る重要なもの。後光が導く中、エージェントMJが発したその言葉は『ノアの箱舟を破壊せよ』!!しかしその「ノアの箱舟」こそ、彼らにとって唯一の脱出手段だったのだ。果たして彼らの運命は?!

http://www.albatros-film.com/title.phtml?titleid=209

 [これはひどい]。B級映画にさしたるストーリーを求めるべきではないにせよ、今までの経験ではあらすじを見れば何となく「分かったような」気になったものだ、気だけでも。しかしこの映画については、何度読んでも脳味噌が文章を拒絶するらしく、あらすじが頭に入ってこなかった(褒め言葉)。
 そんな中でも「エージェントMJ(マイケル・ジャクソン)」という言葉は目を引くが、マイク・マイヤーズマリリン・モンロー、ブッシュにチャップリンとそっくりさんが頻出する本作において、無駄に彼だけは本物なのだという。何故なら監督がマイケルと友人だから。しかも今は売却されてしまったネバーランドで撮影されているというのだから[これはすごい]。くだらない展開が苦手な人も「ここはネバーランドここはネバーランド」と自らを言い聞かせながら鑑賞すればありがたみもいや増すというものだろう。

 マイケルのことばかり記すようだが、彼は"R2-D2"ならぬロボット"U2-ME2"が映し出すホログラムで数度登場するのみである。期待に反してレイヤ姫のような活躍は無く、総出演時間も3分とない。しかし実際、悪夢のように夜空に浮かぶマイケルのチープなホログラムは「ああ、この映画に出会ったのはこれを見る為だったんだな」といたく満足する図柄であった。DVDのジャケット画像が米Amazonには有るのにAmazonJapanには無くて、この日記に合法的に画像を表示させる為だけにアソシエイトを始めようかと思ったくらい、後光を背負ったマイケルの神々しい笑顔は心に響く。(リンク先参照 → マイケル・ジャクソン IN ネバーランディングストーリー - アルバトロス・フィルム )(その気は無いので、はてなダイアリーで米Amazonのアソシエイトが出来るのかどうかもよく分かってませんけど。)


 肝心のお話は、ひたすらハリウッド映画のパロディーで埋め尽くされている上に、前述の通りストーリーなど有って無きが如しなので、これ以上説明することが難しいのだが、もう少し努力をすると…。
 マイケルの指令を受けた主人公は、勇敢な"Webマスター"となって、ノアの箱舟を出航させて世界に大洪水を引き起こそうとしている「猿の惑星」もどきの猿たちと戦いを繰り広げる。さらにアメリカ政府も大洪水を阻止すべく、箱舟に向けて核弾頭を発射するわ、今にも出航しそうな箱舟との綱引きで手が離せない最中にジュラシック・ポークが襲ってくるわ(何を言っているのか自分でも理解できない。)、皆に迫る危機に次ぐ危機! そして、試練を通して育まれる愛と友情。
 ラストに"監督を製造した人"(…だったっけ?英語でどういう言い方をしていたかも忘れてしまった)としてインタビューに答える監督の母親の姿も、素晴らし(く馬鹿馬鹿し)い。上品で優しそうなお母さんなだけに尚更だ。
 

 パロディーもギャグもさっぱり笑えないような代物のはずなのだが、だんだん感覚が麻痺してきたらしく、数箇所はうっかり「本気で」噴き出した自分が恐ろしい。ただ、やはり気軽に人様にお奨めできる映画ではない。B級映画好きを自認する人でない限りレンタルも購入も避けるべきだろう(まあ、そもそも「お好きな人」でもない限り、このタイトルに興味を示さないと思うけれど)。出来れば、大勢の同好の士と笑いながら鑑賞するのがベストだ。

 しかし私がこのDVDを見つけたレンタルビデオ屋は田舎の小さな店で、かつ客層(6割がた?)からも品揃えからもファミリー向けな雰囲気濃厚な店舗なのだが、店員の悪戯か嫌がらせかさり気ない自己主張か、たまにおかしなディスプレイに遭遇する。DVDの背表紙がずらりと棚に並ぶ中、お薦めのビデオやDVDについては要所要所でジャケット面を正面にして置く、というどこの店でも見られる光景が広がるのだが、ハリーポッター指輪物語に紛れて笑顔のマイケルジャクソンのジャケットを目にした時は何事かと思った。
 棚一つ分使って、レトロな雰囲気のジャケットを持つ時代劇ビデオをディスプレイしている場所があるのだが、片岡千惠藏と萬屋錦之介に紛れてさりげなく「ポルノ時代劇 忘八武士道(1973) - goo 映画」や「徳川女刑罰史(1968) - goo 映画」を置いた店員と同一人物の仕業ではないか…と踏んでいるのだが。その人とはお友達になれそうな気がする。